blog

30 June

さよならユーゴスラヴィア


というタイトルの記事が創刊間もない「CALCiO 2002」に掲載されていたことを今でもはっきりとおぼえている。セリエAの記事が大半を占める中にあって旧ユーゴスラヴィアの解体とともに、あの美しいフットボールも消滅してしまうのだろうかという小さな記事に少なからずショックを受けた。おりしもジヴァティノビッチ率いるプラーヴィ(ユーゴスラヴィア代表)がユーロ2000の予選をほんの一時期ではあるけども順調に勝ち進んでいた時期でもあったからだ。その後、世界選抜のようだった世代が代表から引退していくと同時に国名がセルビア・モンテネグロへと変わった。もはや、かつてのプラーヴィではなくなってしまったかと思っていたのだが、W杯ドイツ大会予選を同組のスペインを抑え、堂々の一位通過をはたしてしまったのだ。それは“最後にひと花咲かせてくれるのでは”という淡い期待を抱かせるのに十分な結果であった。しかし、私の期待とは裏腹にドイツ大会は惨澹たる結果(悪癖でもある)に終わってしまった。ドイツ大会でのプラーヴィに、かつてタレントの宝庫といわれていたチームの姿を見い出すことはできなかった。そのセンチメンタルな光景(プレイ)が、旧ユーゴスラヴィア代表チームの本当の終わりを告げているように見えてならなかった。しかし悲観はしていない。旧ユーゴ勢はどの国も強い、それだけ激戦が増えるわけだからヨーロッパのフットボールは、さらに魅力を増していくのだ。
01:11:10 - spk - - TrackBacks

25 June

Belgium new architecture


100%のデザインを意図的に80%にするようにしてデザインを完成させるような、そんな抑制の効いたデザインは、デザイナーの存在が邪魔をしてこない分、目に映るすべての光景がエレガントに関係づけられているように感じとれる(場合がある)。ベルギー現代建築が醸し出す落ち付いた新しさが風景的に見えたのは、そのような理由からかもしれない。「Belgium new architecture」を初めて見たときの印象がそれであって、現代建築の潮流(欲望)から一歩引いたようなスタンスが、新鮮に映った。エルクロで特集されたstephane beelも実に落着いたデザインを実践している。オランダの現代建築に目を向けると、毎年博覧会でもやっているんじゃないかと見まがうほどなのに、ベルギーのそれには革新的なとげとげしさが見当たらない。これは見るひとにとっては退屈に映るかもしれないが、その退屈さを醸し出すのも技術(スタイル)であると思っている。 しかし「Panic in the village」を見てからはベルギーデザインの認識を改めねばならないと思うのであった。
19:31:07 - spk - - TrackBacks

22 June

Panic in the village


ショートムービー・カフェの短編アニメーション作品の中でも突出して面白かった(笑えた)のが、ベルギーのアーティストVincent Patar & Stephane Aubierが制作した「Panic in the village」という作品だ。13作品の中で唯一、二本立て(といっても10分足らず)という特別扱いぶりは、そのまま“続きがあるよ”という前フリになっている。そして上映後に思わず購入してしまったDVD「Panic in the village Vol.1」で自身、完全にはまってしまった。いったん見てしまったら、後戻りはできない麻薬的な世界に足を踏み入れてしまったような気分でもある。本編映像だけではない、DVDに添付された「村人たちの相関図」からしても秀逸だ。面白さを支えるパニック村の世界観が精密に設定されている。ベルギーのサッカー選手は“この作品を見てから試合に望む”とDVDに収録されたインタビューで答えている。なるほどベルギーのW杯ヨーロッパ予選敗退の原因はここにあったのか、と思わせてしまうほどの説得力をこの作品はもっている。
01:15:31 - spk - - TrackBacks

21 June

ショートムービー・カフェ


gggのある銀座DNPビル2階、映像ホールでは世界各国の短編アニメーション作品を上映する「ショートムービー・カフェvol.2」が開催されている。DNPビル内では「田名網敬一主義展」のインパクトに押されぎみのようだが、どれもすばらしい作品ばかりであった。 毎週土曜日のみの上映で、しかも定員25名と上映スケジュールは、すこぶるマイペースだ。そんな“気が付いたらご覧あれ”といった雰囲気に誘われ、予約をしてみると上映日当日にもかかわらず、あっさりと予約ができてしまった。
一時間半という程よい時間の中で13の短編アニメーション作品が、テンポ良く上映されていく。どれもが芸術的でわかりやすく、作品ごとにその世界(テーマ)へ引込まれていく感覚がとても心地よい。何度見ても飽きのこない(であろう)映像と凝縮されたストーリーに加えて、精密に作り込まれた要素(パペットなど)ひとつひとつにも鑑賞性(クラフト感)があるところが、 短編アニメーションの魅力といえるだろう。日頃、まったく目にすることがなかった分野なだけに、いろいろと発見もあって新鮮な気分であった。
00:29:14 - spk - - TrackBacks

16 June

トーキョー・リアルサイケデリック・マスター


「田名網敬一主義展/ggg」で思いがけない建築に遭遇した。地下スペースの中央に吊り下げ(展示)られた“空中都市”のオブジェがそれである。 会場は氏が発明した独特な色彩で支配されている。通りからガラス越しに見えるオブジェからしても、いつものgggの雰囲気ではない。それらが、銀座という現実の世界との対比を見事につくりあげている。“空中都市”と題された作品は今まで数多く見てきたつもりだが、建築のメソッドとは明らかに異なる“田名網サイケデリック様式”の都市(建築)に、ありえない新しさを感じていた。“空中都市”と知って、納得しようと頭を働かせようとするが、もはや無駄なあがきなのである。それは“都市”ではあるけども、他のオブジェや平面作品と比べてもスケールの位相はなく、提灯のオブジェと言ってしまえば、それでも成立する。Rem Koolhaasの建築も当初はこういった印象で迎えられていたのだろうか。あのフランス国会図書館のコンペ案は、そのままイサム・ノグチの彫刻だと説明されれば、それで納得できてしまうからだ。
00:18:24 - spk - - TrackBacks