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音楽通の建築家


一ヶ月以上前に最終回をむかえた「前川セミナー」のゲストは建築家 内藤廣。島根芸術文化センターが竣工し、当地で記念講演のあとであったにもかかわらず、かなり緊張されていた。今まで、こんなに緊張している建築家を見たことがない。聴講者の中には林昌二、平良敬一そして前川事務所出身の方々といったお歴々が勢揃いしていたからだ。しかも最終回ということで総括的な意味合いもつよい。会場は予想どおり満席で早めに来て正解であった(藤森照信の回で学習済)。
「前川セミナー」の講師陣の中でなぜ最終回が内藤廣なのだろうか、より前川國男に近い人物ではないのかといった疑問をもっていただけに意外であった。その分、深い思い入れから離れた視点で前川國男を分析してセミナーを締めるという意図が強く感じられる。最終回は「前川國男と時間」というかなり巨視的でつかみどころのないテーマで、内藤廣自身テーマの難しさと緊張を白状しつつも、ゆっくりと氏の思い出話しからセミナーは進行された。内藤廣の母上どのはピアニストで子供のころから高校生ぐらいまでは一緒にコンサートを見に行っていた。その主だったコンサート会場というのが、神奈川県立音楽堂であり東京文化会館であったのだ。本人曰くあの会場でいちばん音楽を聴いた建築家だそうで、前川國男という建築家の名前を知る以前に音楽でもってその空間のすばらしさを存分に体験してきたというわけである。子供のころから少年時代までの前川建築体験は、前回までのセミナーには見られなかった切り口で新鮮で説得力を感じるものであった。

posted at 10:59:35 on 12/17/05 by spk - Category: architecture

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